婚姻届は出していないけど、社会的には夫婦同然の生活をしている男女の関係を「内縁関係」といいます。内縁関係という言葉に多少後ろめたい響きがあるためか、最近は「事実婚」というのが一般的ですね。
この内縁の夫婦のどちらかが亡くなっても、残された方は亡くなった方の財産を相続することはできません。
なぜなら、法律では「配偶者」は常に相続人となると決められていますが、この「配偶者」には内縁の夫または妻は含まれないからです。つまり内縁関係では法律上の相続人になれないのです。
では、内縁関係にある男女は、財産を相手に引き継がせる方法はないのでしょうか?長く連れ添ったお二人であれば、婚姻届は出していなくても夫婦として財産は相手の方に相続させたいと思われるでしょう。
一番良いのは遺言を書くことです。遺言で相手の方に財産を引き継がせる(「遺贈」といいます)と書いておけば、残された方が財産を引き継ぐことができます。この遺言は公正証書にしておいた方が、無効になるリスクが無く安心です。
しかし、遺言は「まだ元気だから」と言って、先延ばしにしがちです。そうこうしているうちに、結局遺言を残さないまま亡くなってしまったというケースも見てきました。そうなってしまうと、何も相続できないかもしれません。
ですから、内縁の関係にある場合、お元気なうちに遺言を作った方がいいですよ。